TECHNOLOGY PRODUCT & TECNOLOGY

材 料

快切削性FC鋳鉄

特徴

非金属介在物を利用した片状黒鉛鋳鉄で高速切削時の快削化(加工生産性up)が図られる材料
(高速切削時に生じる工具摩耗は熱的な反応性摩耗が支配している⇒保護皮膜で反応防止)

  1. 1)材料中に微量に存在する非金属介在物の形態を抑制
  2. 2)切削において非金属介在物が工具表面に保護皮膜を形成
  3. 3)保護皮膜が切削工具に生じる摩耗を大幅に抑制
  4. 4)乾式・湿式加工とも適用可
  • 刃具摩耗

  • 快切削材の物性値比較FC250相当材

      引張強さ
    (N/㎟)
    0.2%耐力
    (N/㎟)
    ヤング率
    (N/㎟)
    硬度
    (HB)
    快切削材 275 231 112.500 201
    現行品 273 223 101.800 197

    切削性を向上させても物性値の変化はなし

  • チップ摩耗量通常材を100とした場合の指数

FCV鋳鉄

特徴

黒鉛形状がFC鋳鉄とFCD鋳鉄の中間的な芋虫状組織のため、両方の優れた特性を持ち合わせています。

FCV鋳鉄とは
  1. 1. 鋳鉄の物性値に大きな影響を与える黒鉛組織が芋虫状の組織です。
  2. 2. FC鋳鉄とFCD鋳鉄の中間的な芋虫状組織のため両方の優れた特性を持ち合わせています。
  3. 3. しかし、中間的で中途半端な黒鉛形状のため管理が難しい鋳鉄でもあります。
  4. 4. ダイハツメタルでは厳密な品質管理により安定した素材の提供をお約束致します。
製品適用例
  • ・自動車部品(フライホイール、エキゾーストマニホールド 等)
  • ・ディーゼルエンジン部品(シリンダヘッド、エンジンフレーム 等)
  • ・油圧部品(ポンプケーシング 等)
組織写真
FCV、FC、FCD材質比較
FCV鋳鉄の規格
材質名称引張試験硬度(HB)適用
引張強さ(N/㎟)耐力(N/㎟)伸び(%)
FCV-IA> 320> 230> 3 130~180ライン生産
小物生産
FCV-I> 360> 270 > 2130~210
FCV-IIA> 360> 270> 2 140~210自硬性ライン生産
中、大物生産
FCV-II> 440> 320 > 1170~240

制振鋳鉄材

特徴

減衰能が一般FC鋳鉄の約2倍あり、振動、音をよく吸収します。

制振鋳鉄材とは

減衰能が一般FC鋳鉄の約2倍!
一般鋳鉄と比較して振動吸収エネルギーが2倍あり振動、音をよく吸収します。また、摩擦係数も低く潤滑性のある材質です。

用途・実績

主に音、振動を吸収する目的で、数キログラムの自動車部品等から数トンの一般構造用部品まで幅広く適用されています。すでに自動車部品のディスクブレーキやドラムブレーキでは”鳴き”低減対応として実用化しています。現在では、お客様から高い評価を得て、約250トン/月の生産に至っています。

製品適用例
  • ・自動車部品(ディスクブレーキ、ドラムブレーキ 等)
  • ・一般構造用部品(工作機械、プラトン、建築用構造物 等)
  • ・その他(冶具、定盤類 等)
  • 減衰性比較一般FC鋳鉄を100とした場合の指数

  • 振動波形比較一般FC鋳鉄と制振鋳鉄の波形比較

  • 組織写真一般FC鋳鉄と制振鋳鉄の黒鉛サイズ比較